公務員の採用にあたっては身元調査が行われる、と聞いたことがある人もいることでしょう。

安定しているという理由で人気が高い職業ですが、調査を恐れて応募を躊躇っている人もいるかもしれません。最近は中途採用も積極的に行われていますので、誰にでもチャンスはあります。

何も悪いことをしていなくても、調査の内容が分からなければ不安になるのも当然です。どのような内容の調査をされるのか、またなんの目的で調べられるのか、詳しく見ていきましょう。

公務に従事するに不適切な人物の排除

就職にしても転職にしても、採用にあたって調査されるのは事実です。

理由はとても簡単で、給料の支払いに税金があてられるからです。

国や市町村の職員として働く公務員の給料が税金で支払われるのは当然のこととしても、その職員がなにか不祥事を起こしたら、国民や市民はどう思うでしょうか。

私たちが納めた税金が、そんな人のために使われたのか、と残念に思うでしょう。中には国や市へ抗議する人もいるかもしれません。どうしてこんな人間を雇ったのか、と責められます。

政治の世界では任命責任という言葉もあるくらいですから、場合によっては支払った給料の返還を求めて、市や国が訴えられるかもしれません。

そんなことにならないよう、経歴や日頃の行動に問題がないか、調査するのが身元調査の目的です。

採用者の責任が問われる

もしも不祥事を起こした公務員がいたとしても、経歴に何の問題もなければ、国や自治体が責められることはありません。

案の定と言われるような人物であれば、採用責任を問われるでしょう。

雇った人物の親が犯罪者であった、本人が若い頃から素行不良だった、極端な左翼だった、ということでは困ります。

民間企業でも敬遠するような人物を雇い、税金で給料を払うことなどできない、というのは至極当然のことです。

興信所によって公務員の身元調査が行われる

公務員の身元調査を専門に行う興信所があり、経歴や家族構成、犯罪歴、出身地、借金の有無などは簡単に分かります。

ただ、どの程度の調査をされるかは、職種にもよります。

役場の職員であれば、本人と親、兄弟、配偶者など、ごく身近な身内の経歴調査程度です。

しかし、警察官や消防士など、公安に関わる職種であれば、曽祖父に甥っ子、姪っ子まで、目安としては3親等まで調べられます。

駐車違反のように、軽微な犯罪であれば問題になることはありませんが、懲役刑になっているような身内がいると、パスするのは難しいと言わざるを得ません。

信頼と尊敬に値する仕事に就く以上、その程度の覚悟は求められます。